弁理士試験の概要

 弁理士試験に合格するためには、まずは各試験の概要を知っておく必要があります。 弁理士試験は1次試験から3次試験まで全て試験方式が違います。 また、合格基準についても各試験で異なるため、以下に各試験の概要をご紹介いたします。

1. 短答式試験(マークシート)

 60問のマークシート式の試験で、例年39点以上で合格となっています。但し、各科目で4割以上の点数を獲得する必要があります(いわゆる足切り)。
 (参考)H24年以前は36点以上とされており、またH28以前は足切りもなく条約を捨て学習時間を短縮することも可能でしたが、今は全法域を満遍なく学習する必要があります。

  • 特許・実用新案法(20問)
  • 意匠法(10問)
  • 商標法(10問)
  • 条約(10問)
  • 著作権法(5問)
  • 不正競争防止法(5問)

(ポイント) 1問は概ね5肢で構成されている

 短答式試験の問題は60問で39問以上正解で合格と聞くと正答率6割5分で受かるように感じるかもしれません。 しかしながら、難関資格と言われている弁理士試験がそう簡単なわけがありません。 1問につき5肢、つまり5つの小問が含まれています。また、問われ方も正解しているものは「いくつあるのか」という風に5肢全ての問題の正誤が正確にわからなければ 正解とならないようになっている問題(通称いくつあるか問題)が全体の3割から4割もあります。5肢の内、4肢で正誤が判断できても残り1肢で間違えればその問題は不正解となります。 そのため、合格ラインである正答率6割5分を獲得するためには8割以上の肢で正しい判断をすることができるレベルまで学習する必要があります。

(ポイント) 科目別に足切りがある

 H29年の試験から、各科目で4割以上の正答率を確保しなくては総得点で合格基準に達しても不合格となるようになりました。 後でご紹介しますが、短答式試験の科目ではあるが論文式試験の科目ではないものに条約、著作権法、不正競争防止法があります。 このうち、著作権法、不正競争防止法は「いくつあるか問題」が出題されず、常識に基づいてもある程度点が取れてしまいます。 一方で、条約は出題範囲も広く得点も10点ということから昔の試験では2, 3点取れる程度の勉強をし、あとは運任せということもありました。 しかし、現在の試験では少なくとも4点とる必要があります。細かい条文や規則からも出題されるためこの4点を確実に取ることができるレベルになるまでには多くの勉強時間が必要となりました。

2. 論文式試験(必須)

 短答式試験とはうって変わり、実際に条文等の知識を文章として表現することが必要な試験となります。 合格点は、216点(400満点)以上であり、かつ各科目47点(特許・実用新案法は94点)以上であることです。

  • 特許・実用新案法:200点(2問, 2時間)
  • 意匠法:100点(1問, 1.5時間)
  • 商標法:100点(1問, 1.5時間)

(ポイント) 素点ではなく偏差値制である

 論文式試験は、短答式試験と違い素点ではなく偏差値制となっています。 そのため、54点というのは偏差値54のことであり正規分布と仮定すると上位34%に入ることで合格点に達します。 また、何か1つの法域で大きく点数を取れればその他の法域については上位50%、つまり平均点を取れればトータルでの合格も望めます。 偏差値制のため、その年の問題が難しくても一定の割合で受かることができます。

(ポイント) 法文集を参照可能

 論文式試験では、試験中に貸与される法文集を参照することができます。 そのため、知らない条文であっても試験中に要件を確認することができます。 但し、試験時間は特許・実用新案法は2問で2時間、意匠法・商標法は1問で1.5時間で1問あたりA4で3~4枚の記載量が必要となります。 問題を瞬時に把握して、適用条文や法の趣旨等を簡潔に記載できるようになる必要があります。

3. 口述式試験

 2名の試験官の質問に足して、口頭で回答をしてくことになります。科目は、特許・実用新案法、意匠法、商標法の3科目になります。 評価は各科目3段階のA, B, Cでなされ、Cが2科目以上ないことです。

 試験は各科目10分とされています。開始8分程度で第1鈴がなされ、10分程度で第2鈴、その後1分程度で第3鈴がなされます。 第2鈴までに全ての問題(約10問)を終えれば、B以上となっているようです。

(ポイント) 会話のキャッチボールを重視

 口述式試験では、試験官との会話のキャッチボールが重視されています。 そのため、知識があるだけでは足りず、シンプルに聞かれたことに対して答えることが必要です。 回答に不足があれば、試験官が更に質問をしてくれます。その質問に対してまたシンプルに回答するというキャッチボールを意識することが大切です。

(ポイント) 問われる問題は概ね決まっている

 口述式試験では、弁理士として当然に知っているべき問題が出題されます。 そのため、過去に出題された問題が何度も出題されています。対策としては過去問の学習から始めると効率的に学習可能です。 また、合格率はここ数年90%を超えており、落とすための試験ではなく受からせるための試験であるといえます。

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