弁理士試験は独学で合格可能?

 

 弁理士試験に限らず、資格試験を受けようとする人が最初に迷うのが「予備校に通って勉強するのか」「独学で勉強するのかだと思います」。

 弁理士試験は、1次試験として短答式試験(マークシート)、2次試験として論文式試験(記述)、3次試験として口述式試験(口述)があります。

 それぞれの試験は同じ産業財産権法についての試験ですが、内容や対策が異なります。 それぞれの試験について、独学でも合格可能か下記に検討してみました。

1. 短答式試験(マークシート)

 60問のマークシート式の試験で、例年39点以上で合格となっています。但し、各科目で4割以上の点数を獲得する必要があります(いわゆる足切り)。
 (参考)H24年以前は36点以上とされており、またH27以前は足切りもなく条約を捨て学習時間を短縮することも可能でしたが、今は全法域を満遍なく学習する必要があります。

(結論) 独学でも合格可能
※知的財産に関する知識を有する場合に限る

 結論としては、独学でも合格可能だと考えます。 但し、知的財産に関する知識を事前に持っている企業の知的財産部や特許事務所勤務の方以外は、最初の導入部の 理解に時間がかかるため、予備校利用がおススメです。

  • 上四法(特許、実用新案、意匠、商標)
  •  <知的財産に関する知識を持っている方>
     手続きの流れと条文の理解を行い過去問を中心に学習することで十分合格可能。
     手続きの流れは市販の入門テキスト(TACのELEMENTSシリーズ)を繰り返し読むことで理解できます。
     条文の理解は条文集を素読して、細かい文言の違いを抑えていけば合格基準に達します。
     過去問は当サイトのWEBアプリを用いて、全ての問題を解けるようになることが必要です。
     <知的財産に関する知識のない方>
     用語や考え方等を効率的に学ぶためには、予備校の入門講座等を受けることをお勧めします。
     もちろん独学でも学習可能ですが、とっかかりの良さや体系的な知識を得るためには予備校はとても役に立ちます。
  • 下三法(条約、著作権、不正競争防止法)
  • ○条約
    みなさま独学で合格可能と考えます。
    理由としては、出題範囲が限られること、条文の暗記が中心となること(問題は条文そのまま出題される)です。 内容の理解というのはあまり必要とされない試験であり、市販の入門テキストを読み、 繰り返し条文を読んで、過去問で知識の定着を図るという学習方法が最適です。
    ○著作権、不正競争防止法
    みなさま独学で合格可能と考えます。
    5割程度の問題は、常識で正解することができます。 ただし、勉強すれば8割~9割程度の正答率とすることもできるため直前期に追い込みで学習することをお勧めします。 市販のテキストではなく、フレーズドライ勉強法というサイトを運営している弁Kさんのテキストがおススメです。

2. 論文式試験(必須)

 短答式試験とはうって変わり、実際に条文等の知識を文章として表現することが必要な試験となります。 合格点は、216点(400満点)以上であり、かつ各科目47点(特許・実用新案法は94点)以上であることです。

(結論)独学でも合格可能
但し、書き方は添削してもらった方が良い

  • 趣旨問題
  •  条文や制度の趣旨を問う問題(通称:趣旨問題)については、青本や審査基準を参照していては非効率です。  体系的にまとまった市販の論文用テキストや、予備校の論文レジュメを入手し学習することをおススメします。  大切なことは、全文を覚えるのではなくキーワードを覚えることです。重要なキーワードさえ書ければ点数はつきます。
  • 事例問題
  •  過去問を解いてみて、なんとなく挙げるべき項目がわかる方は書き方を中心に学習することになります。  ただし、要件の列挙やあてはめをシンプルに記載することが苦手な方もいらっしゃいます。  そのような方は予備校の添削を受けることで、シンプルに記載することができるようになります。  一方で過去問を見ても何を書いていいか分からないという方は予備校で、挙げるべき項目について学ぶ必要があります。  また、予備校では書き方についても添削を通じて教えてくれるようですので、受講することで効率的に学習可能かと思います。

3. 口述式試験

 2名の試験官の質問に足して、口頭で回答をしてくことになります。科目は、特許・実用新案法、意匠法、商標法の3科目になります。 評価は各科目3段階のA, B, Cでなされ、Cが2科目以上ないことです。

(結論) 独学で合格可能

 口述試験は、過去問を中心に勉強することで十分合格可能です。 一時期行われていた条文の一語一句暗唱はあまり意味がないと気づいたのか出題されなくなっています。 試験中に法文集を参照することも可能なため、暗唱できるレベルまでになる必要はないかと思います。
人前で話すのが苦手な人は、受験仲間や弁理士試験合格者を相手に練習するとスムーズに回答をすることができるようになります。 残念ながら、重要キーワードを知らない家族や友人相手に練習しても大きな効果はないかと思います。
また、弁理士の各会派が有料・無料で口述練習会を開いてくれています。場の雰囲気になれるため1回は参加すると良いでしょう。

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